法事をつとめる:法事の引き出物(お土産物)
   法事のお斎(食事)のほかに、さらに引き出物−お土産物を、供養として添えることが多いようです。もちろん、引き出物は出さなくてはならないというものではありません。
 菓子折と記念品の両方を引出物とする家もあるようです。引出物には、いろいろの品物が考えられますが、近ごろは実用品が多く当てられております。
 引出物の金額は、千円から三千円ぐらいが普通です。菓子折も、千円ぐらいから三千円までのものが使われます。
 引出物の包装紙には、必ず、故人(戒名・法名)の何回忌の、お供養の品という旨を書いておきます。
 
法事をつとめる:戒名と法名
 

 

 仏教に入信した人には、きまりごとの禁制があります。そういうきまり―― 戒を受けて(受戒)、戒を守ることを仏さまに誓い、俗名(ぞくみょう)を改めるのが法号(ほうごう)、つまり戒名(かいみょう)です。
 生前、死後にかかわらず、仏門に帰依(きえ)した人に与えられる名が法名(ほうみょう)・戒名ということですが、今日では、戒名といえば故人に送られる名前のように思われております。
 また、授戒(じゅかい)を行わない宗派(真宗)では、戒名といわず法名といいます。真宗では帰敬式(ききょうしき)(おかみそり)を受けて、そこで法名を頂きます。つまり法名は、仏さまの教えに帰依して、新しい生活に入った人がもつ名であり、生きているうちにいただくものなのです。しかし、今日では仏教徒といいながらも、生前に戒名や法名を受けていない人が多く、死後に生前の徳を讃えるようにして、一定額の戒名・法名料を納め、お寺の住職や本山から授けてもらっています。
 戒名は、宗派によってあらわし方が違います。例えば、ある宗派では、院号、信士(しんし)、信女(しんにょ)、居士(こじ)、大姉(だいし)、善士(ぜんじ)、善女(ぜんにょ)、童子(どうじ)、童女(どうにょ)。三、四歳の幼児には孩児(がいじ)、孩女(かいにょ)。一、二歳の嬰子には嬰児(えいじ)、嬰女(えいにょ)……などがつけられています。
 真宗では、釈(釈尼)であらわします。真宗の門信徒で、生前に帰敬式を受けずに亡くなった方には、所属のお寺の住職が、法主(門主)に代わっておかみそりを行ない、法名が贈られます。また、故人に代わって、本山へ一定額以上の懇志(こんし)が納められますと、故人に院号法名が贈られます。
帰敬式
 
法事をつとめる:位牌の安置
   位牌(いはい)は、亡くなった人の戒名や死亡年月日を記して、お仏壇におまつりする、いわば故人のシンボル(象徴)に当たるものです。
 もともと、位牌は中国で用いられました。古くは神さまを祀(まつ)るとき、金属製の板に神名を書いて祭壇に安置したのです。儒教(じゅきょう)では、それを位板(いはん)と呼んで、亡くなった人の官位や姓名を記してまつりました。のち、宋時代になって、禅宗でも用いるようになりました。
 この方は木製で、位牌と呼ばれました。位牌には、白木造り(野位牌)のものや、黒塗り、金箔塗り(本位牌)などがあります。
 白木の野位牌は、葬式のときに祭壇に安置し、墓所にも持って行きます。しかし、死後四十九日までに、塗りの本位牌をつくって、忌明(きあ)けから本位牌を仏壇におまつりして長く保存いたします。
 本位牌は、各家庭のお仏壇におまつりするので内位牌(うちいはい)とも呼ばれますが、これに対し、お寺にあずけて永代供養してもらう位牌を、寺位牌(てらいはい)と言います。普通の位牌には、一札ずつ立てる造りとなっていますが、くりだし位牌といって、一つの位牌に何枚かの板片を入れ、それぞれに戒名を記しておくものもあります。
 お仏壇に、あまり多くの位牌が並んだ場合、お供養してから処分してもよいことになっております。五十回忌が過ぎたら祖霊に合祀されると考えたらよいでしょう。
 本位牌を、新たにお仏壇におまつりするときは、点眼(てんげん)法要とか開眼(かいげん)法要といって、所属のお寺のお坊さんに開眼(入魂)のお経をあげてもらうことになっています。
 なお、真宗では位牌は用いず、頂いた法名は掛軸にして、お仏壇の左右両側面に掛けます。また、故人の法名は、生前の名前や死亡年月日と共に過去帳に記入します。