お仏壇:どこに安置したらよいか
 

 お仏壇は、よく家の中の”小さなお寺”だといわれます。つまりお仏壇の置かれている場は、家庭の”聖域”なのです。
 まず、朝夕お仏壇におまいりするにあたって、すがすがしい気分を保てる場所がのぞましいといえます。それに風通しとか、日当たり、湿気とかいったことを考慮に入れる必要もあります。
 また、仏間をつくってあげる場合は別として、お仏壇の向きについても考慮に入れる必要があるでしょう。普通、南向きと東向きがよいとされています。南向きは風通しもよく、明るい方を向くことになりますし、北の場所が最も尊いとされていることから、北背にするのです。東向きは、西を背にするわけですが、礼拝のとき”西方浄土”の方角に向くことになります 。

 しかし、今日の家の構造、部屋の状況からいって、方角のことまでとらわれすぎてはお仏壇の安置にも”一騒動”をまねきかねません。なんといっても、それぞれの家の実情から、最もふさわしい場所をえらぶことが大切です。
 それでも、お仏壇を茶の間のタンスの上に、安置しなければならない場合は、タンスの上をきれいにして、自ら尊いものを尊く感じられるような工夫をする必要があるでしょう。
 小型のお仏壇にしても、あまり高い場所に安置しますと、おまいりするとき、おりん(鈴)を鳴らしにくくなります。
 昔の人は、三尺(約九〇センチ)以上の高さにお仏壇を設けると、先祖の霊が帰って来ても上がれない、などと言ったものですが、教義的に問題がある訳ではありません。大切なのは仏事を普段の生活の中心にすえることが大切だということでしょう。

 
お仏壇:古いお仏壇をどうする
   新しくお仏壇を購入した場合、今まで長くおまつりしてきた古いお仏壇を、どう扱うかは頭をなやます問題です。
 これは、お坊さんに依頼して、「お魂抜き」とか「御霊抜き」と呼ばれる儀式をとり行い、他方、新しいお仏壇では入仏式−−魂入れ、開眼法要−をとり行ないます。真宗では「お魂抜き」「御霊抜き」とはいいません。浄土真宗各派では、「御入仏法要」「御遷仏法要(ごせんぶつほうよう)」「御移徙(ごいし)」「おわたまし」等の云い方があります。
言い方は違いましても「お性根(おしょうね)を入れる」「お性根を抜く」というお勤めはされます。
 魂抜きをしたお仏壇は、そのまま残しておくこともできないでしょうから、所属のお寺のご住職におたずねするか、新しいお仏壇を買った仏具店と相談してみることです。
 なお、京都や東京、その他の仏壇店の組合では年に一回、古いお仏壇の供養、法要(おたきあげ)を行なっております。こういった法事は今は全国各地で行なわれるようになってきたようです 。
 
お仏壇:お仏壇や仏具の手入れ
 

 お仏壇は、何よりも大切に扱って、長もちするよう、日ごろから充分に心がけておくべきものです。表面に金箔や、漆塗りの箇所が多いわけですから、とくに手入れについての知識をもっていなければなりません。
 お仏壇を安置してある部屋は、風通しをよくすることが必要ですし、直射日光に当てないよう注意がいります。
 手入れの道具としては、軽い良質の毛バタキや、つやだし布巾を用意してください。ゴミやホコリは、毛バタキで力を入れないようにしてはらいます。
 漆塗りの箇所は、やわらかい布や、つやだし布巾でふけば、光沢(つや)が出ます。また固い物や、金属類をあてたりしますと、キズがついたり、塗りが剥げたりします。とくに漆は水に弱いので、水で濡らすことは、絶対に禁物です。
 金箔部分は、手でさわったり、こすっては剥げる恐れがあります。毛バタキで軽くはらう程度でよいのです。
 金物や金具、金鍍金は、汗ばんだ手でふれないよう注意しないと、早く錆びます。金物は、みがき油(真ちゅうみがき)で、よくみがき、そのあと乾いた布で油をふきとります。彫りの部分は、とくに綿密に油をとりのぞいておかねばなりません。
 唐木仏壇の手入れは、他にくらべて簡単で、毛はたきではたき、つやだし布巾で軽くふくだけでよいでしょう。
 そして、大切なことは、お仏壇のお手入れの道具はそれ専門のものを定めておくことです。普段部屋をそうじする道具を流量するのは少し考えものかもしれません。
 お仏壇の内に、お供え物を残したままにしておくと、時にネズミが入って内部をかじることがありますから、気をつけてください