仏前結婚式:式次第
   ここに入場、仏前着座司会者の合図で、参列者は式場の定められた席(新郎側は外陣祖師前側、新婦側は御代前(ごだいぜん)側)に、左右に各一列に正面を向いて順次着席します。
 楽(雅楽)が奏される中を、新郎・新婦は媒酌人(ばいしゃくにん)夫妻にみちびかれて、本堂正面下座より入場し、新郎・新婦は正面の席に、媒酌人は、正面後方の定められた席に、正面に向かって着席します。
 続いて、司婚者が本堂内陣後門(ごうもん)祖師前側より出仕し、ただちに中尊前短畳(または半畳)に着座いたします。ここで楽は休みます。(雅楽の場合は「五常楽」、合唱の場合「衆会」、器楽の場合は山田耕筰作曲の「前曲」が奏されます)

 
仏前結婚式:開式
   司婚者の着座をまって、司会者より開式のことば。これが終わると、司婚者が中尊前において焼香しますが、このとき司会者の合図で、一同その座で総礼(合掌、礼拝)します。
 次に、「讃仏のうた」が誦唱されます。ここでは、嘆仏偈が読誦されてもよいのです。
 表白 讃仏のあと、司婚者は尊前で表白文を拝読します。
 司婚のことば 表白が終わると、司婚者は、前卓にかざってある授与念珠を持って、御代前側より退座し、後門を通って、左余間より外陣正面に出て、新郎・新婦の方を向いて着座し、卓の上に授与念珠を置き、司婚のことばを述べます。(椅子席の場合は新郎・新婦は起立して拝聴いたします)
 誓いのことば 司婚のことばが終わると、「両人の誓いを求めます」と、司婚者から言葉がかけられます。すると、新郎は、懐中に入れている「誓いのことば」を読みあげ、新婦は、自分の名前のみ読んで誓います。
 念珠の授与 司婚者は「司婚のことば」を結んだのち、卓上にかざってある念珠を、新郎・新婦の順に授けます。(新郎・新婦は式場へかけて来ていた念珠を司婚者へ差出します)
 念珠授与の後、司婚者は外陣祖師前に着座します。ここで係員によって、念珠のかざってあった卓は撤去されます。椅子席の場合は卓上のもののみ撤去します。
 献花・献香 念珠授与の後、再び楽が奏されるなかを、酌人よりあらかじめ手渡された花をもって、新郎、新婦の順に、尊前の卓の前に進み、花を献じて焼香し、終わって式杯の位置に向かい合って着座します。椅子席の場合はもとの席へもどります。ここで楽は止みます。(献花、献香の楽は、雅楽の場合は「箏と笙による調子」、合掌の場合は「みほとけは」、器楽の場合は、清水脩作曲「礼拝の曲」が奏されます)
 婚姻届の署名 式杯にうつる前に、媒酌人より出された婚姻届けの書類に、新郎・新婦が署名いたします。
 式杯 次に三々九度の杯事が行われます。司会者が「式杯」を宣しますと、両家の親族は、席のまま向かい合って対座します。そして式杯の楽が奏せられるうちに、夫婦交杯が行われ、次に親族一同の前に肴と杯がくばられ、一同乾杯して式杯を終わります。
 ここで司婚者のお祝いの法話、仲人の挨拶、親族の紹介等をおこなうこともあります。(式杯の楽は、雅楽の場合は「三台塩」、合掌または器楽の場合は、本居長子作曲「帰依三宝」を奏します)
 讃歌 お祝いの法話があって後、一同司会者の指示によって、尊前に向きを正し、「祝婚の歌」を一同で斉唱いたします。
 総礼・閉式のことば 讃歌が終わって、司会者の「総礼」の合図でもって、一同尊前に合掌礼拝、閉式のことばがあって、式はとどこおりなく終わったわけです。
 退場 まず司婚者が、楽の奏されるなかを、左余間から後門を経て退場いたします。その後、新郎・新婦、媒酌人、両家親族の順に退場します。
(退場の楽は、雅楽の場合は「合歓宴」、合唱の場合は「咲き匂う」、器楽の場合は、オルガン曲「咲き匂う」が奏されます)
 
仏前結婚式:表白文(例)
 

 夫惟(それおもん)みれば 夫婦は人倫の大本にして 婚姻は生活の基調なり その典儀誠に重くして厳粛なること 正に敬慎すべきなり
 本日ここに 阿弥陀如来の尊前において
   新郎 ○○○○
   新婦 ○○○○
 新たに夫婦の契(ちぎ)りを結び 成婚の儀を挙ぐ
 宿縁の花開いて芳(かんば)しく 値遇の伴侶相得て共によろこぶ 今や両人の親故 有縁の同朋 一同に会して限りなき慶祝の誠を捧ぐ 然れば爾今 仏祖の教えに従い 己を修め身を正し 心垢を洗除して互いに敬愛を旨とし 琴瑟相和して専から感恩報謝の生活を営み 以って社会の進展に奉仕せんことを念ず
 茲(ここ)に恭しく如来大悲の照鑑(しょうかん)を請い奉る願わくは哀愍摂護し給わんことを
     年   月    日

司婚者 何某 敬って白(もう)す

 
仏前結婚式:司婚のことば(例)
   ただ今、仏前に婚儀を挙げるに当たり、新郎○○○○さん、新婦○○○○さんに申します。あなた方は、今から夫婦として、あたらしい家庭生活を歩み出そうとしておられます。ともに受けがたき人身をうけ、しかも、ここに二人が結ばれることは、まことにふかい因縁によることであって、その家庭は、人間としての人生に対する責務を果たすべき、厳粛な場であります。
 互いに夫となり妻となり、やがて又親となることによって、人類の歴史を荷負う一員となるのであります。家庭における日常生活の苦楽のなかに、人間としての無限の意味を照らし出すものこそ、み仏の教えであります。
 なにとぞ念仏生活者として、心身ともに健(すこ)やかな人生をすごされることを念じてやみません。
 ここに、両人の誓いを求めます。